
「あの子、わざとじゃないのに文句言われてかわいそうだった…」
「うちの子、些細なことでもすぐ怒ってしまう…」
そんな場面や悩み、子育て中なら誰しも経験があるのではないでしょうか。

文句を言うことは簡単です。自分の気持ちに正直であればいいだけですからね。でもそれでは人に避けられてしまいます。
今回は、人が故意でない間違いをしたときに「文句を言う子」と「許せる子」の違いについて考えていきます。
背景にある共感力や発達段階、家庭でできる関わり方なども交えて、子どもの心の育ちを見つめてみましょう。
1. 共感力(エンパシー)の違い
許せる子は、相手の立場や気持ちを想像する“共感力”が育っています。
「わざとじゃないんだ」と理解し、相手の気持ちを思いやることができます。
一方、文句を言う子は、自分の気持ちを優先しがちで、「自分が嫌だった」という感情が先に立ってしまいがちです。

自分の気持ちが最優先で、それを解消するために文句を言ってしまう傾向にあります。
2. 感情のコントロール力の違い
許せる子は、怒りや不満を自分の中で整理する力が育ちつつあります。
一呼吸おいて受け止め、冷静に判断できる余裕があります。
文句を言う子は、その時の感情をそのまま言葉にしてしまい、怒りを直接相手にぶつけてしまうことがあります。
そんな時は、ドラマ3年A組の「ぐっ、くるっ、ぱっ!」を思い出してください。
グッと踏みとどまって、
クルッと頭を一周させれば、
パッと正しい答えが浮かぶ
ことです。ぜひ、思い出してください。

まだ観たことない人はレンタルしてください。笑

画像:ChatGPTによる生成物
3. 正義感・ルール意識の発達段階
幼い子どもは「間違い=悪いこと」と考えがちです。
そのため、悪意がなかったとしても「間違った相手は責められるべき」と捉えてしまうことがあります。
成長とともに、「誰にでも間違いはある」「悪意がなければ許してもいい」という柔軟な考えができるようになっていきます。

引用:宇宙兄弟(講談社)
4. 大人のふるまいが子どもに映る
周囲の大人が「失敗しても責めずに受け止める」姿を見せていると、子どもも自然と「許す態度」を学びます。
反対に、大人が人のミスを厳しく叱ったり、すぐに責めたりしていると、子どもも同じようにふるまう傾向があります。

親の背中を見て子供は育ちます。どんな子供に育てたいのかは、親の振る舞いが大事ってことですね。
5. 「許す力」は発達とともに育つ
共感力や他者理解は、乳幼児期から児童期にかけて段階的に育っていく力です。
- 2〜3歳:他人の気持ちを少し理解し始めるが、自分本位な反応が多い
- 4〜6歳:相手の気持ちを自分と違うものとして受け止められるようになってくる
- 小学校〜:複雑な感情や状況も理解し、柔軟に他人を許せるようになる
「文句を言う子」も、それは心の成長の途中。周囲の大人の関わり方次第で、子どもの心は大きく育ちます。
6. 文句と意見の違いを伝える
「文句を言ってはいけない」というメッセージだけが強すぎると、子どもが自分の気持ちを言葉にすること自体を否定されたと感じてしまうことがあります。
大切なのは、「文句ではなく意見として伝える」という方法を教えること。
- 文句:「なんであんなことするの!ムカつく!」(感情が先)
- 意見:「ちょっと困ったな。次から気をつけてくれると嬉しい」(思考が伴う)
サッカーの「リスペクト精神」も同じです。
審判や相手選手の行動に不満があっても、文句を言うのではなく、フェアプレーで敬意を示す。
そんな“心の強さ”が、今の子どもたちにも求められています。

引用:サッカー協会
7. 共感力を育てる家庭での工夫
共感力は、特別な教材がなくても、家庭で育てることができます。
- 子どもの失敗をすぐに否定せず、「どうしたの?」と話を聞く
- 「次はどうしたい?」「どうすればうまくいくかな?」と問いかける
- 失敗したら謝ること、反省する姿勢を一緒に見せていく
「失敗は誰にでもある」「謝るのは思いやり」
そんな価値観を、大人が言葉と態度で伝えることで、子どもは“人を思いやる力”を育んでいきます。
まとめ:心の発達に寄り添い、「伝える力」と「許す力」を育てよう
文句を言ってしまう子と許せる子の違いには、共感力・感情コントロール力・ルール理解・大人のふるまいなどが関係しています。
でもそれは、「良い・悪い」という話ではなく、「今、心がどの段階にあるか」というだけのこと。
大人が「伝え方」を教え、「許す姿勢」を見せていくことで、子どもたちは少しずつ“伝える力”と“許す力”を育んでいきます。

まずは大人が正しい姿勢を示すこと。そこから全てが始まります。See you! 👋
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