
「どうしてうちの子は学校に行けないのだろう?」
「このままで大丈夫なのかな……」
不登校のお子さんを持つ保護者の方が抱える、その不安や迷い。
そして、学校に行けないことで「自分はダメな人間だ」と感じている子どもたち。
でも、どうか知っていてほしいのです。
不登校=ダメな生徒
ではありません。

今日は近年増加傾向にある「不登校」をテーマに、子どもにも大人にも知ってほしいことについて書いていきます!
不登校は“特別な感情”ではありません
不登校には、さまざまな要因があります。
- 精神的にしんどい
- 身体の不調がある
- 学校で嫌なことがあった
- 行こうとすると、なんだか苦しくなる
これらは、誰にでも起こりうることです。
そして実際、学校に行っている子でも、似たような気持ちを抱えていることは多いです。
不登校になる理由は、「その気持ちが人よりも少し強く出た」だけ。
決して、「他の人と違う特別な感情を持っている」わけではありません。
だから、自分を責める必要なんてまったくないのです。
学校に行かなくても、「学び」は止まらない
「学校に行かないと、将来ダメな大人になってしまうのでは?」
そう感じている保護者の方や子どもも多いかもしれません。
でも、それは大きな誤解です。
なぜなら、人生は学校だけで決まるわけではないからです。
例えば、
- 自宅でYouTubeを見ながら英語を勉強している
- フリースクールや教育支援センターで人と関わっている
- 塾に通い、自分のペースで学習を進めている
こうした子どもたちは、「自ら主体的に学ぶ」「主体的に行動する」力をすでに身につけつつあります。 それらは、今後の社会で必要とされる、非常に大切な力です。

学校の評価の中に「主体的に学びに向かう態度」という項目があります。まさにこの力を身につけつつあるということです!
不登校でも、成績は正当に評価される
「学校に行っていないと、成績はつかないのでは?」
そんな不安を感じている子どもや保護者の方も多いと思います。
でも実は、2023年8月に文部科学省から全国の教育委員会に出された通知により、
不登校の生徒が自宅や塾、フリースクールなどで行っている学習活動も、成績評価に含めてよいと明確に示されました。
▶ 関連資料:「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」令和6年8月29日発出文書(文部科学省) https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1422155_00002.htm
また、「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策について」では、
不登校の状態にある児童生徒にも多様な学びの機会を提供し、学びを止めないための支援が強調されています。
▶ 関連資料:「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)」(文部科学省) https://www.mext.go.jp/content/20230418-mxt_jidou02-000028870-cc.pdf
つまり、学校に登校していなくても——
- 学校で出された課題に取り組んで提出している
- オンライン教材やYouTubeなどを使って自主的に学習している(Excelなどに学習履歴を記録する)
- 塾やフリースクールで学びを継続している
こういった活動がある場合、学校の先生はそれをもとに評価をつけることができます。 だから、「学校に行けてないし、どうせ自分なんて…」とあきらめる必要はまったくありません。
学校の成績は、「どこで学んでいるか」ではなく、「どう学んでいるか」で決まる時代へと変わりつつあるのです。
大人にできることは、「戻すこと」ではなく「支えること」
保護者や先生として、つい「どうしたら学校に戻れるか」を考えてしまいがちです。
でも、無理に戻すことが目的になってしまうと、かえって心を閉ざしてしまうこともあります。
大切なのは、
- 今の気持ちを否定しないこと
- 「ここにいていい」と感じられる環境をつくること
- 子どもの意思やタイミングを尊重すること
学校に戻るかどうかは、最終目的ではありません。
その子が「今何を頑張ろう」としているかが、もっと大切なのです。

その子はその子なりに必死に努力していることがあります。どうかそれを否定しないであげてください。そして温かく見守ってあげてください。
不登校は「遠回り」ではなく「その子だけの道」
不登校は、「本来あるべき道から外れてしまったもの」と見られがちです。
でも本当は、その子だけの道を歩き始めたということなのかもしれません。
学校に通っている子が育っていくように、
学校に通っていない子も、ちゃんと育っていきます。
比べなくて大丈夫。
焦らなくて大丈夫。
それぞれのペースで、それぞれの学び方がある。
不登校は、“止まっている”のではなく、“違う形で進んでいる”だけなのです。

富士山の登り方は人それぞれ。一気に登れる人もいれば、8合目で休む人もいます。最後に見れる景色は同じですから、人と違うからといって諦めては行けません。
最後に:あなたは、ちゃんとがんばっています
学校に行けないことで、「ダメだ」と感じている子どもたちへ。
不安でいっぱいの中、毎日を過ごしている保護者の方へ。
あなたは、ちゃんとがんばっています。
“何もしないように見える日”も、実は心の中ではいろんなことが起きています。
無理しなくていい。比べなくていい。
今日を生きること、それだけで十分です。
どうか、「今」の自分を肯定できるような言葉を、子どもにも、自分自身にも届けてあげてください。

大人も子供も、自分と他人ををもっと大切にできる。そんな社会ができてくると嬉しいですね。See you! 👋
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