
先生はなんで先生になったんですか?
これは日々、中学生たちから受ける質問です。かれこれ100回くらい答えました。笑

英語が好きだから。英語で困っている中学生を助けたいと思ったからだよ。
でも、YouTubeを見たり、友達とゲームをしたり、まだまだ楽しいことがたくさんある14歳の彼らにとって、毎日忙しそうに働く大人の姿は不思議に映るのかもしれません。
この記事では、
- なんのために働くの?
- 勉強って将来本当に役立つの?
という疑問に、現役教師の視点から具体的に答えていきます。
読み終える頃には、きっと「働くこと」「勉強すること」に対して、今よりも前向きな気持ちを持てるはずです。そして何より、あなた自身の将来に希望と期待を感じられるようになることを願っています。
なんのために働くの?
仕事=お金のため?それだけじゃない本当の理由

先生、結局働くってお金のためでしょ?

半分正解、でも半分違うよ。
大人はなんのために働いているのでしょうか。

働く理由 | 割合 | 具体例 |
---|---|---|
収入を得るため | 95% | 生活費、家族のため |
自分の成長のため | 51% | スキルアップ、経験 |
社会貢献のため | 47% | 人の役に立つ喜び |
出典:エン・ジャパン「ミドルに聞く働く理由意識調査」
もし本当に「お金を稼ぐこと」だけが目的なら、なぜ「人間性」や「社会に貢献」という言葉が出てくるのでしょうか。
働くとは、「困っている誰かを幸せにすること」
例えば、コンビニの店員さんがいなければ、夜中にお腹が空いても何も買えません。バスの運転手さんがいなければ、電車のない地域の人は移動に困ってしまいます。お医者さんがいなければ、病気になった時に適切なケアを受けられません。
以前、私が風邪で体調を崩した時、近所のコンビニの店員さんが「大丈夫ですか?温かいお茶をおまけしますね」と声をかけてくれたことがあります。その時、「ああ、この人は私を助けてくれている」と心から感じました😊
お金は「誰かを幸せにした対価」として存在する
つまり、「誰かを幸せにした分だけお金がもらえる」という仕組みとも言えます。


でも先生、うちの親は毎日疲れてるよ?

確かに働くことは疲れます。でも、疲れながらも続けているのは、きっとその先の「あなたの笑顔」のためではないでしょうか。
勉強って将来役に立つの?
「何のために勉強してるの?」というモヤモヤに答えます

数学の二次方程式って、将来使うんですか?
これ、私が毎年のように聞かれる質問です😅
正直に言うと、大人になって二次方程式を使う機会はそれほど多くありません。でも、だからといって勉強が無駄なわけじゃないんです。
勉強は、将来”何にでもなれる自分”をつくる準備
中学で学ぶことは、直接仕事に関係ないかもしれません。でも、勉強を通じて身につく「知る力」「考える力」「続ける力」は、すべての仕事の土台になります。
勉強が仕事につながる具体例
勉強は思わぬところで役に立つものです。
私が教師になる前、英語の塾でアルバイトをした時のことです。ある生徒が「英語なんて将来使わない」と言っていました。でも数年後、その子は外資系企業に就職し、「先生のおかげで世界中の人と話せるようになった」と連絡をくれました。

「でも、やりたいことがまだ見つからない…」という人も大丈夫です!今一生懸命勉強していることで身につく「思考力・判断力・表現力」は、どの分野でも役に立ちます。「主体的に学びに向かう態度」は一生使えるスキルになるでしょう。
学習指導要領が求める3つの力
文部科学省が定める学習指導要領では、以下の3つの力を育てることを目標にしています。

これらは、まさに将来どんな仕事に就いても必要になる力なんです。

やっぱり勉強って意味があるんだ」って思ってもらえましたか?😊
夢がない…でも大丈夫!
「やりたいことがわからない」あなたへ

友達はみんな夢があるのに、私だけ何もない…

将来のことがわからなくても心配はいりません。
今はまだ「自分の将来像」がはっきりしていないのが当たり前なんです。なぜなら、中学生の皆さんはまだ社会の色々な仕事を実際に見たことがないからです。
進路や職業には”正解”はない

進路や職業選択に「正解」はありません。「最適解」を探すことが大切です。
いろんな大人と話したり、いろんな人とコミュニケーションを取って、さまざまな価値観に触れていきましょう。職場体験も、そんな貴重な機会の一つです。
大切なのは、「知ろうとすること」と「一歩動いてみること」
例えば、
- 図書館で色んな職業の本を読んでみる
- 家族や親戚の仕事について詳しく聞いてみる
- 職場体験で実際に働く人と話してみる
- インターネットで気になる職業を調べてみる
私の生徒で、「夢がない」と言っていた子が、職場体験で動物病院に行ったんです。最初は「動物が嫌いじゃないから」という消極的な理由でした。でも、実際に働く獣医師さんと話をして、「動物を助ける仕事って素敵だな」と思うようになり、今は獣医師を目指して勉強しています。
このように、実際に体験してみることで新しい発見があるものです。

「まだやりたいことが見つからない」という人は、「今興味があること」から始めてみてください。それが将来につながっていくかもしれません🌟
実際に働いている大人の声を聞いてみよう
「最初は不安だったけど、今は前向きに働いています」
実際に働いている大人たちは、どんな思いで仕事をしているのでしょうか?私が知っている方々に聞いた、リアルな声を紹介しますね。
看護師(20代女性)「小さい頃は病院が怖かった。でも家族が入院した時、看護師さんの優しさに感動して、自分もそうなりたいと思ったんです。最初は失敗ばかりで、患者さんに迷惑をかけてしまうこともありました。でも、患者さんから『ありがとう』って言われると、がんばってよかったって心から思います。今は、一人でも多くの人を笑顔にしたいって思って働いています」
配達ドライバー(30代男性)「もともと運転が好きで始めた仕事。最初は『ただ荷物を運ぶだけの仕事』だと思っていました。でも、お年寄りの家に重い荷物を届けた時に『助かりました!』って言ってくれたり、赤ちゃん用品を急いで届けた時に『間に合いました、ありがとう!』って感謝されたり。自分の仕事が誰かの生活を支えているんだなって実感できるようになりました」
保育士(40代女性)「子どもが好きでなったけど、思った以上に大変。泣いている子をあやしたり、保護者の方との連絡を取ったり、書類を作ったり…正直、疲れることも多いです。でも、卒園した子が『せんせい、また来たよ』って遊びに来てくれると、本当に嬉しい。あの子たちの成長に関われているんだなって思うと、やりがいを感じます」
働く人の共通点
これらの話を聞いて気づくのは、夢があった人も、なかった人も、今はやりがいを見つけて働いているということです。

職場体験でも、ぜひ働いている人に「どんな時にやりがいを感じますか?」って聞いてみてください。きっと素敵な話が聞けると思います😊
余談ですが、私自身も教師として働く中で、生徒が「英語がわかった!」と言ってくれる瞬間が一番嬉しいです。卒業した生徒から「先生のおかげで英語が好きになりました」という連絡をもらった時は、本当に嬉しくて泣きそうになりました…🥲
まとめ:「働くこと」は自分と社会をつなぐこと
さて、ここまで読んでくれてありがとうございます!最後に、今日の話をまとめてみますね。
今日覚えてほしい3つのポイント
1. 働くからお金がもらえるのではなく、誰かを幸せにするからお金がもらえる
仕事の本質は「困っている人を助けること」です。お金は、その対価として受け取るもの。だから、どんな仕事でも誇りを持って良いんです。
2. 勉強は、その「働く力」を育てる土台になる
今やっている勉強は、将来の選択肢を広げてくれます。「知る力」「考える力」「続ける力」は、どんな仕事でも必要になります。
3. 将来に悩むのは当たり前。行動することで未来は変わる
「夢がない」ことを恥ずかしく思う必要はありません。大切なのは、いろんなことを知って、体験して、自分なりの「最適解」を見つけていくことです。
あなたが将来「これならやってみたいかも」と思える瞬間に出会えるよう、今できることを少しずつやっていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 仕事って、やっぱり大変なもの?
A. どんな仕事も楽なことばかりではありません。でも、「自分が納得して選んだ道」なら、大変さも乗り越えやすくなります。そして、困難を乗り越えた時の達成感や、誰かの役に立てた時の喜びは、何物にも代えがたいものです。
Q. 働かなくても生活できる方法はないの?
A. 現代では資産運用やフリーランスなど、さまざまな働き方があります。でも、どんな生き方にも「人と関わる力」や「学ぶ力」は必要です。結局のところ、何らかの形で社会に価値を提供することで生活が成り立っています。
Q. どうすれば”やりたいこと”が見つかりますか?
A. いろいろなことを「試す」ことが大切です。職場体験、ボランティア、読書、色んな人との会話など、出会いの数が将来の選択肢を広げます。「これは違うな」と思うことも大切な発見です。消去法で自分に合うものを見つけていくのも一つの方法ですよ。
職場体験の作文や、将来について考える時の参考になれば嬉しいです。もし「働くって大変そうだな」と思っていた人も、「ちょっと楽しそうかも」って思ってもらえたでしょうか?

あなたの未来は、あなたが今日からの行動で決まります。一歩ずつ、前に進んでいきましょう!See you! 👋
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